前打ち報道氾濫に見る無責任社会

日雇い派遣禁止は本決まりの方向との前打ち報道を見た。こうした前打ち報道を目にするたびに記者クラブ制度の弊害を思いださずにいられない。読者に対して情報源を明かさないまま、政府の政策方針を事前に入手し、大部分は匿名で報道する。そういう類のニュ…

これからの社会の働き手にとってのsecurityとは、個別のjobのsecurityを守ることによってではなく、labor marketのsecurutyを高めることを通してもたらされるべきものだとわかっているのか。

月刊誌紹介|生活経済政策研究所 2008年5月号(No.136) http://www.seikatsuken.or.jp/monthly/index.html 特集 生活保障システムとしての最低保障 逆機能する日本の生活保障システム/大沢真理 ミニマムの確定に向けて―生活保護基準をめぐる論点整理―/布…

時事ドットコム:「低所得」の範囲拡大を検討=後期高齢者医療、保険料軽減めぐり−与党 http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2008051201004 与党は12日、75歳以上を対象とした後期高齢者医療制度(長寿医療制度)で焦点となっている低所得層の保険料軽…

脱・三種の神器の道具だて

雇用ミニマム、対価透明性、時限志向。

ある製造業派遣企業

現場派遣「2009年問題」にどう対応?──社長に聞いた - OhmyNews:オーマイニュース http://www.ohmynews.co.jp/news/20080507/24671 ───人材派遣ビジネスのイメージが悪いことについてはどう思いますか。 パートやアルバイトなど、いわゆる非正規雇用は現在約…

毛色の異なるエントリーはアクセス状況をみるためでした。場所を変えて出直します。

『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか』城繁幸著

日本人が自明のものとしている働き方の神話解体を、20数名の若者の人生を描きつつ試みた、新しい時代の空気感を感じさせてくれる書。著者は、年功序列・終身雇用といった今も基調にある日本的雇用の型を、昭和的価値観と名づけ、その解体の必然を説く。自分…

専ら派遣こそ派遣労働を貶めている元凶

(前日分からつづき)民主党の派遣法改正案には専ら派遣の規制が盛り込まれている。 日雇い派遣:「全面禁止」民主が法案 罰金1億円に - 毎日jp(毎日新聞) http://mainichi.jp/select/today/news/20080419k0000e010070000c.html 企業が人件費抑制のため人…

日雇い派遣原則禁止論の皮相さ

いま進みつつある派遣法改正論議がおかしすぎるので、思うところを書いてみる。 民主・社民・共産の派遣法改正案が出そろい、すべて日雇い派遣禁止が主眼になっている。公明も日雇い派遣禁止を提唱していて、自民にも同調者は多いと思われる。見たくないモノ…

一日付けでカキコ。ブクマをはじめて丸2年。これまで1日平均21ポスト。ブクマが提供するソーシャリティは検索よりも密度の濃い情報の世界へ導いてくれる。自身の一部を社会に預けてしまうような不安感は消えないが、それなしに社会からリターンを得ようとす…

asahi.com:松下電器子会社の偽装請負、直接雇用成立を認定 - 就職・転職 http://www.asahi.com/job/news/OSK200804250070.html asahi.com:「こんな働かせ方、おかしいですから」涙の全面勝訴 - 関西から一部引用 http://www.asahi.com/kansai/news/OSK2008…

切り取ることのできない言葉。死刑制度について語った言葉で、これほど目の離せない、ひとつながりの言葉に出会ったことがない。即答でこれだけのことを語っていることに驚嘆する。自分が死刑制度について考えるとき、今後幾度となく参照することになると思…

労働CSR包囲網による労働運動

asahi.com:「残業代など不払い」 バイト3人が「すき家」刑事告訴 - 社会 http://www.asahi.com/national/update/0408/TKY200804080324.html 【SUKIYA-UNION】首都圏青年ユニオン http://www.seinen-u.org/sukiya.html 「週刊東洋経済」や「週刊ダイヤモン…

対日経済審査報告書2008の件(2)

+報告書の肝心の部分を報じず歪んだ情報を伝える新聞報道について (1から)対日経済審査報告書の要旨がOECD東京のサイトにアップされていたので見てみた。 OECD 対日経済審査報告書2008年版 要旨 http://www.oecdtokyo2.org/pdf/theme_pdf/macroeconomics_…

対日経済審査報告書2008の件(1)

+報告書の肝心の部分を報じず歪んだ情報を伝える新聞報道について当ブログにとって「翼よあれがパリの火だ」的に唯一の希望(?)と思える文書について、やっぱり無視できないので更新します。 OECDの対日経済審査報告書が公開(報道解禁)されたようだ。一…

夜、ポストをながめると分厚い封筒が一通。一昨年度かかわりのあった、とあるプロジェクトの総括報告書のようなものが届いていた。四年間のプロジェクトが最終的に終わったのだ。自分の心の中では大きな位置を占めていたものだけに、このところ不調な自分の…

なぜEITCは世帯単位で想定されているのだろう?

求められるワーキングプア救済策 「最低賃金」より税還付軸に RIETI 経済産業研究所 http://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/kawaguchi/01.html 還付可能な税額控除制度が企業に対する賃金補助よりも魅力的なのは、世帯単位の所得をもとに控除額を決…

書けてないテーマをあげてみるのテスト。 現行雇用保険に加入できない者に教育訓練給付がないのは差別だ ベーシックインカムを夢想するぐらいなら条件付き現金給付を検討せよ ジャーナリズムが告発すべき格差とは同一組織内の処遇格差である 終身雇用支持者…

正しい働き方(正規雇用)という考え方自体が社会的排除を生んでいる

議論のあまりの非論理性に思わず嫌味を噴出させ周囲を不快にさせたり、呆れ果てて沈黙を続けたりすれば、いま進みつつある事態を許容することになる。そのことに危機感を感じるべきだ。あきらめちゃダメだと何千回も繰り返さないとダメだ。個人的には、自分…

新宿区の広報誌で目にして気になっていたこと。新宿区民等は、4月から年2000円で、早大の教育・総合科学学術院図書施設が使えるようになる。最近、大学でも地域貢献が求められるようになってきているようで、やたら公開講座が増えてきた。でも、それでは、地…

志位・福田論戦にGJなどと反応する人間や、最近、脳にお花畑が咲いているとしか思えない社説を書いた新聞の社説子は、短いものから読めばよい。ついでに言えば、志位氏のILOレポート引用のなんと恣意的なことよ。 JAPAN Economic Policy Reforms: Going for …

政治を読み解くマトリックス…読書から

いつでもそうだというわけではないが、政治上のしくみを理解するには、次の二つの質問から始めるとわかりやすい。 まず、その状況が誰に利益をもたらしているのか。 次に、その資金はどこから出ているのか。(P.200) 第三者にとって、政策推進者の来歴・個…

正規雇用化に助成金

中日新聞:パートら正社員化に奨励金 格差是正と雇用安定化で:経済(CHUNICHI Web) http://www.chunichi.co.jp/s/article/2008022101000600.html 厚生労働省はパートや契約社員、期間工を正社員として採用した中小企業に対し、奨励金を出す新制度を4月をめど…

求人広告偽装裁判

asahi.com:「求人広告の賃金虚偽」 沖縄出身者ら派遣会社など提訴 - 社会 http://www.asahi.com/national/update/0218/NGY200802180014.html 愛知県豊川市の人材派遣会社と契約していた沖縄県出身の元従業員ら7人が募集広告と実際の賃金との差額の補償を求…

だいぶ昔にやったネタ備忘録。 Yahoo!みんなの政治 - 政治ポジションテスト 外交編 http://seiji.yahoo.co.jp/guide/position/diplomacy/ あなたは「グローバル指向のハト派」です! 【グローバル指向】 あなたは、地球規模で変化する市場環境に積極的に適応…

日雇い派遣原則禁止論のデタラメさ。日雇い派遣という短期派遣契約を繰り返す働き方に問題があるわけじゃない。日雇い派遣で働くときの処遇(雇用保障)にまつわる制度に問題があるのだ。連合が打ち出した非正規労働者との連帯は、結局は労働市場をトータル…

記者クラブ無効化のために

また朝まで生テレビの話になるが、メディアに関して気になる発言があった。手嶋龍一氏が、記者クラブのような談合組織があるのは日本とアフリカの強権国家一国だけだと発言していたが、このアフリカの強権国家はどこを指すのだろうか?いずれ解明したい。 さ…

HAT-KZ(ハットカズ)システム

年明け、朝まで生テレビを見るとはなしにつけていると、長妻昭氏が出ていたので、3ヶ月ほど前の彼の衆議院での代表質問を再読してみた。彼が名づけた、日本を無駄遣い国家にしてしまうHAT−KZ(ハットカズ)システムとは、今の官僚制における職務の遂行、ある…

2007年の3冊

今年刊行された本で、運よく目を通すことができ、印象に残ったものを3冊あげるとすると以下。少しの立ち読みしかしてないので(高額だよ高額)リストにあげられない『財投改革の経済学』高橋洋一(東洋経済新報社)は、間違いなく重要本。 『フラット革命』…