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脱・三種の神器の道具だて

雇用ミニマム、対価透明性、時限志向。

『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか』城繁幸著

日本人が自明のものとしている働き方の神話解体を、20数名の若者の人生を描きつつ試みた、新しい時代の空気感を感じさせてくれる書。著者は、年功序列・終身雇用といった今も基調にある日本的雇用の型を、昭和的価値観と名づけ、その解体の必然を説く。自分…

ニュースにBGMをつける奴のツラが見たくないのか

(NHK記事引用のついでに) このところ寝苦しくて眠りにつけず、めったに見ないテレビをつけたことがあった。見るとはなしに早朝のNHKニュースが、つけたままの状態に。ニュースの内容は特に頭に入ってこなかったが、そのうちイライラ感がこみ上げてきて画面…

どのようなニュースの引用なら許されるのか

佐藤正久参議院議員の駆け付け警護発言をめぐって、その発言の当否はいったん置く。関心があるのは、こういった政治的に争点となりそうなニュース映像があるとき、この映像に公益性があると判断した個人が、YouTubeなどのビデオ投稿サイトに映像をアップロー…

ZAKZAK 安倍カラーも返上…取材に“カメラ目線”やめる http://www.zakzak.co.jp/top/2007_08/t2007081301.html 安倍首相の変身はこれだけではない。「美しい国」や「戦後レジーム(体制)からの脱却」という言葉が、参院選投開票日の7月29日以来、ほとんど…

asahi.com:猪瀬直樹氏が都副知事を受諾 人事案提出へ - 政治 http://www.asahi.com/politics/update/0615/TKY200706150419.html 副知事として「中央省庁の権限を地方に移すことを一生懸命考えたい。国全体のためにも東京の力は必要」と述べた。・・・猪瀬氏…

ジャーナリスト・烏賀陽弘道氏がオリコン個人提訴裁判の不当性を訴えるビデオをYouTubeにアップしている。活字が主戦場の烏賀陽氏にとって、降ってわいたような裁判がなければ、こういう情報発信に取り組むことは、とりあえずはなかったはずだ。自らの主張の…

ジェイ3.0 〜 開発独裁時代の終わり

当ブログの更新は減速の予定。ただその前に、ひとつモヤモヤに決着をつけたい。これまで何度か、モノローグのようにして、保守・革新とか、ウヨク・サヨクとかの従来型の分類が無効化していると、自分の実感をもとに書いてきた。自分にはリベラルと分類され…

<われ>なくして<われわれ>なし(2)

(1からつづき)ジャーナリストの今井一氏が、大阪市議会の委員会において、当該市政記者クラブ所属の新聞・テレビの記者には認められている傍聴の許可を求め、大阪市に対して起こしていた損害賠償請求訴訟の判決が、先月16日、大阪地裁で下され、今井氏側…

<われ>なくして<われわれ>なし(1)

■CNET Japan Blog - 佐々木俊尚 ジャーナリストの視点:新聞が背負う「われわれ」はいったい誰なのか http://blog.japan.cnet.com/sasaki/2007/02/post_13.htmlジャーナリスト・佐々木俊尚氏が、1990年代後半以降の社会の大きな変化の波、戦後社会の崩壊と、…

政治団体をめぐる備忘録

選挙も近づき、最近、政治とカネをめぐるニュースが増えてきた。かつて政治家の政治資金の状況を調べたときに考えた、政治団体にまつわるよしなしごとをメモしておきたい。政治資金収支報告書は総務省のサイトで見れる。OCRデータでも検索可能にすることはで…

オリコン個人提訴裁判はジャーナリズムの核心を炙り出す(2)

(13日、1からつづき)今回の裁判は、日本のマスメディアのジャーナリズム機能を推し量る意味でも、大変興味深い展開をみせている。今回の裁判に関し、フランスの国境なき記者団が、すばやく烏賀陽氏の立場を支持する勧告を出したこと、一方、日本のマスメ…

オリコン個人提訴裁判はジャーナリズムの核心を炙り出す(1)

ジャーナリスト・烏賀陽弘道氏がオリコンに名誉毀損で訴えられた裁判が13日、口頭弁論を開始した。裁判は、烏賀陽氏が反訴したことで、ようやく法的にがっぷり四つに対峙するに至った。現実の訴訟を見る機会の少ない人々には、この展開は一見、泥沼化に見え…

なぜ公益団体が公然と特定政党を支持できるのだろうか

8日のエントリーで、自民党機関紙の名刺広告や友好団体表彰式の内容から、自民党の関係団体をみてみた。よく考えると特定郵便局長会といった、かつて有名だった集票マシンの名がなかったのは面白い。あそこで目についたのは、特定職業の強制加入の職能集団…

学校では教えてくれない政治学〜自民党・関係団体編(2)

ひきつづき、自民党の関係団体を機関紙から追う。機関紙の一般広告を取りあげれば、日本鉄鋼連盟やトヨタ、ホンダとの深い関係がうかがえるが、今回は名刺広告と紙面から見ている。なぜか具体性ある多元的国家論をみかけないので、ネット上に浮かべておく意…

学校では教えてくれない政治学〜自民党・関係団体編(1)

最近、政治を見ていると、アンビバレントな気持ちのやり場に困る。権力を監視すること、権力を批判的に見て改革の芽を探すこと、そういうスタンスの重要性は、一応わかってはいる。だが今の野党の動向や政権に批判的な報道は、批判が自己目的化しているとし…

学校では教えてくれない政治学〜参議院・比例代表編

選挙の年である。与野党が政策で争う改革競争の時代になりつつあるのは、大きな流れとしては喜ばしい。政治は言葉、でもあるのだから、掲げられる言葉が魅力的なら支持へと心が動く。しかし、ただ言葉だけ美しくても、その言葉を紡ぐ当人が、本当に美しいの…

移民受け入れは難じているうちが華か

1月某日。外国人労働者の受け入れをめぐるEUでの取り組みを聞く機会があった。EUの移民政策の専門家から、現在のEUの実情を聞きとったうえで、今後の日本の移民政策への示唆を得るという趣向だった。EUは各国の政策に細かな違いはあるものの、80年代以降、移…

オリコン個人提訴裁判を反スラップ法理の切り口でみる

ジャーナリスト・烏賀陽弘道氏がオリコンに名誉毀損で訴えられた裁判が始っている。はてな界隈でも話題になったわりには、訴訟を受けての彼のコメントが、はてブも言及も、たいしてされてないのが気になった。訴訟案件となると言及するのにビビる人が多いの…

いま教育現場で

1月某日。弁護士会館にて、「思想・良心の自由の現代的意義を考える」と題したシンポジウム。前半の野田正彰氏の講演を聴講した。野田氏は、自由とはあくまでも個にとってのものであって集団における自由などというものはありえない、憲法19条の思想良心の自…

数日前に文句をつけた朝日新聞のパーマリンク(ディープリンク)問題、はてブと連動するとのこと。「サイエンス」と「デジタル」のカテゴリーだけで、石橋を叩いている段階にとどまっているが。

長時間労働との闘い方とは

とある集まりでILO1号条約(8時間労働制)の問題が挙げられていて、先進国の多くが批准しているのに日本は未批准だから問題だという。残業時間の上限を規制する法律もないし、労使間協定によって(36協定)によって事実上無制限に例外勤務が認められる実態が…

民主党・小沢一郎が代表選で提示する予定の基本政策案が10日余り前に読売で記事になったのが気になっている。新しいセーフティネットの確立をウリに、税制で所得税・住民税を半減させる大規模減税を実施し消費税の福祉目的税化を目指すという。所得税率を現…

共謀罪の今国会での成立が回避された日に思うつれづれ。今国会では共謀罪導入と並んで入管法の改正が審議されていて結果的に法案は成立した。そのいずれの法案でも疑われているのは、アメリカ追従の法改正ではないのかということだが、村上龍と伊藤穣一の新…

新聞の特殊指定の問題、公取委はこのままゴリ押しすると新聞というメディアを特別扱いする時代錯誤な立法がなされてしまうことを懸念して、その廃止を断念した。 今週発売の「週刊金曜日6月2日号」と今月発売の「諸君7月号」で、元日経のスクープ記者で同社…