日雇い派遣原則禁止論のデタラメさ。日雇い派遣という短期派遣契約を繰り返す働き方に問題があるわけじゃない。日雇い派遣で働くときの処遇(雇用保障)にまつわる制度に問題があるのだ。連合が打ち出した非正規労働者との連帯は、結局は労働市場をトータルに見晴らす地平に立つことはなく、ただ目前の雇用者との安逸な連帯にとどまる。それら労働運動に引きずられる政治は、不況のただ中で解雇規制を強化した愚をまた繰り返すのではないか。ホワイトカラーエグゼンプションを潰した1年前とまったく同じ文脈で、日雇い派遣禁止論が大手を振るっている。偽善的な建前と建前の議論をぶつけても、なにも生まれない。なにも生まれないどころか、衰退への消耗戦の道を突き進むだけだ。これが現実の世の中の議論だよと噛みしめては、距離のとり方に悩む。