asahi.com:数百人が「人間の盾」 イスラエル軍、ガザ空爆中止
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イスラエル軍は18日夜、パレスチナ自治区ガザのイスラム過激派活動家の自宅を空爆しようとしたが、女性や子供を含む数百人が「人間の盾」になって住宅を取り囲んだため、中止を余儀なくされた。同軍は6月末にガザ攻撃を本格化して以来、「市民の殺害を避けるため」として15〜30分前に標的の住宅の住人に警告してから、空爆するという方法を繰り返している。「人間の盾」で止められたのは初めて。

殺すなら殺せ、と叫ぶに至った人間を助けることなど本当はできない。いやそれは一般化できる話ではない。自分にはできない。できるのはただ見て伝えること。その偽善に身もだえしてもなお、知らないよりは知り、伝えないよりは伝えたほうがいい。殺す側に対して、まるで争いに関係ない第三者も、殺すことに妥当性があるかどうか、凝視していることを伝え、感じさせるしかない。殺す側を心底恐れさせるのは、目の前の殺される人間という個体ではなくて、別の何か。良心の呵責といった崇高な理念は万能薬とはいかない。たとえば目の前の人間を殺せば、その後彼が生きていられなくなること。妥当性なき殺人を犯すような人間に生きるすべはないと自覚させる環境をつくること。自爆テロをする思いで反空爆を訴えなきゃならない生が、この世界にはある。忘れがちな事実だけれど、時として思いを。