シンポ『ブロガー×オーマイニュース「市民メディアの可能性」』@早稲田

http://www.future-planning.net/x/modules/news/article.php?storyid=1677
オーマイのサイトをしっかりと見れているわけでもなかったので途中で出てきた「孫さんの赤じゅうたんの話=http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000000356」なんていうのもわからないまま聴講(汗。途中退席した鳥越氏がオーマイニュースの話をするのかと思っていたらブログ(一般)の話になってる、と語っていたように、ネット上の情報流通の仕方をめぐる話が多かったけれど、それがよかったと思う。


個人的に印象に残ったのは、小鳥ピヨピヨ・いちるさんの、オピニオンというより短くてもいいから事実をポンポンとアップしていってはどうかというオーマイへの提言。小鳥ピヨピヨの面白さの秘密は、ネタもさることながら、そのスタイルにあったんだなあと発見。確かにポンポンアップされるネタに新しい発見があると、そのサイトは面白いので見てしまう。いちるさんは確かブログなんて気楽に書いているとも言っていたのもすごい。というわけで失語症みたいになっていた本ブログもひょっこり気楽に再開してみる。それにしても継続は難しい。


さてさて。編集委員佐々木氏のメディア論が最も重要な話に思えた。旧来は情報の完成したものを出すのがメディアだったが、今はプロセスをそのまま出すようなものになっており(プロセス型編集メディアと発言していた)、もっと場的・空間的なものを形成するものこそが今のメディアだという話。メディアが一方向発射的なものからネットワーク的なものへと変化したと言い換えられる話だと思われるが、現オーマイ各編集記者に皮膚感覚としてそれが理解され共有されているかといえば、今ひとつ壁を感じているといった感じだった。


佐々木氏の「オーマイニュースへの疑問」という記事も掲載するか否かで編集部内で抵抗があったというあたりを聞いてしまうと、プレッシャーかもしれないけれど、オーマイ成功の成否は佐々木氏の双肩にかかっているような気がした。今回のメディアイベント的な仕掛けも佐々木氏のセッティングだったそうで、鳥越氏は何か(ネタを)取材をしてくれと言っていたけれど、そういうことが「今」一番重要なポイントというわけではないのが理解されてない様子。でもそれを公衆の面前でぶちまけているのだから、そこがいい。まずは編集記者間の理念共有とブランディング確立のために奮闘しているらしい佐々木氏の姿勢が編集部でしっかり理解されるといいなと感じた。・・・こうして僕が書いているのもまたプロセス型のエールだったりする。


オーマイニュースジャパンの出現には皆それなりに期待しているからこそ関心も高い。シンポでは提言もいろいろ出たが、そこにかけられている期待を活かす回路は、端的に言えば旧来メディアとの対決ではないかと個人的には思う。編集の中台氏が大事にしたいと言っていた「タブーに挑戦」という理念も、そこに焦点を当てるならば、活きる。すでに押し紙の問題を取りあげているのはいい感じ。シンポでは、現状2ちゃんねらーの遊び場になってしまっているとしてもそういう人こそ味方につけなければいけない、という意見が出ていたけれど、全くもってその通りで、2ちゃんねらーは旧来メディア叩きをするぶんには快哉を挙げてくれるはずだ。マイニュースジャパンのまっとうな旧来メディア叩きは、しばしば2ちゃんねるのソースになっている。また例えばこういったシンポでは名前が挙がらないが、J-CASTニュースなどはネット上の話題(といっても事実上2ちゃんねる上の話題)を取りあげては、さらに2ちゃんねるのソースになったりして、ニッチな領域から確実にアクセスを獲得しているように見える。


もうひとつは資本提供してくれたソフトバンク(ヤフー)との関係を活かすことだ。ヤフートピックスにオーマイニュースが信頼性を担保したうえで市民記者の書いたスクープネタが掲載されるようなことになれば面白くなるはず。旧来メディアは公共性の担い手としての信頼性を失ってきているので、新たな公共的メディアの回路として、オーマイニュースの提供するプラットフォームだけで完結するのではなく、ヤフートピックスのような膨大なアクセス可能性のあるところと繋がることも考えるべきだと思った。