男女賃金昇格差別

気になっている裁判がある。職場内の男女の差別的処遇をめぐり、信じられないほど長期にわたる、ある裁判が続いている。昭和シェル石油・賃金昇格差別裁判。最近の景気回復で、一部企業では、総合職・一般職といったコース別採用の名をかりた、事実上の男女の差別的処遇を復活させる動きがある。そんなバックラッシュの動きを横目にみつつ、その裁判を思うとき、かつての企業社会で差別の屈辱を噛みしめながら生きた人々の歩みに思いをはせることになる。この裁判の闘いは、一企業への私憤を超えて、男性・正社員・世帯主偏重型のかつての社会システムへの公憤を問う裁判としての性格を帯びている。調べてみると、実に多くの男女間の賃金・昇格の差別をめぐる裁判がある。 男女間の同一労働・同一賃金を求めることは、当然のように、正規・非正規間の同一労働・同一賃金を求める動きとつながっている。直近、労働市場における男女差別は、新卒時の参入時点においては、従来と比べると急激に解消されている。というのも正規・非正規職の男女比率が若年層においては、ほぼ変わらないことが観察されているからだ。ではこんにち、かつての社会システムの犠牲者とは誰か。それは、男性・正社員・世帯主を裏返した、女性・非正規・単身者の現状を検討することで浮かび上がることになる。

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20070629k0000m040106000c.html

 昭和シェル石油(東京都港区)を92年に退職した野崎光枝さん(75)が、昇格や昇給で男女差別があったとして同社に男性社員の給与や退職金との差額分など約5200万円の賠償を求めた訴訟で、東京高裁は28日、4537万円の支払いを命じた1審・東京地裁判決を変更し、賠償額を2052万円に減らした。
 西田美昭裁判長は「合理的な理由なく女性であることを理由に、男性と差別的扱いをした」と指摘。当時の男女雇用機会均等法の規定が努力義務だったとしても、努力の証拠がなく違法と認定した。1審は、合併で同社が生まれた85年以降の差額支払いを命じたが、2審は提訴3年前の91年より前の賠償請求権は時効で消滅したと判断した。【北村和巳】

http://homepage3.nifty.com/showashelllaborunion/
裁判の経過がアップされている。会社側、原告ともに最高裁へ上告。

  • 住友金属男女差別裁判勝たせる会のホームページ

http://www.k2.dion.ne.jp/~sumikins/
同じく男女差別裁判として有名な住友金属男女差別裁判。2006年4月和解。

  • WWN 働く女性のネットワーク ホームページ

http://www.ne.jp/asahi/wwn/wwin/
住友関係の男女差別裁判をきっかけとするワーキング・ウィメンズ・ネットワーク。